日本の地方銀行であるトマト銀行の株価を読んでみます。中国地方/岡山県の方にはお馴染みですが同県の金融機関には中国銀行という時価総額1位の銀行がいて、岡山県下の2位銀行です。配当利率が高く安定した基盤があり、配当益で運用することを想定してみます。
https://finance.yahoo.co.jp/quote/8542.T
https://www.tomatobank.co.jp/investor/
現時点の株価としては1,029円(2021/04/30終値)で、配当利益率4.8%と高いので配当益で運用する場合は有望な銘柄だと思います。
財務状況は、第3四半期の数字を見ると前々との比較でほぼ同数値の減収、利益は2桁成長となっていますが、通期では減収減益の見通しです。直近5年の収益と利益は減少傾向にあり、顧客からの貯金残高が増加して貸出金も増加しているが、それが収益に直結していないため配当目的の長期投資であっても投資する判断はやや難しいと考えます。業績が減速しているため減配リスクもあり、高配当性向(前々期実績で40%超)であることも要因です。
金融機関としては近年キャッシュレスのようなオンラインの決済普及や、投資への関心の高まりなど、単純な貯金を受け取り運用するだけでは先細りする予想があり、事業構造の転換や収益性の大きな改善を求められています。トマト銀行も「第2次 みらい創生プラン」を掲げて3年で構造改革を進めているようですが、前々期決算時の資料を見ても進捗や変更点は特に情報公開は特にないようです。対中小企業向けの業績拡大支援や地元製造業向けの関係強化施策の成果や客観的に成長を読み取れる指標など、3年計画における最終年の何らかの進捗や成果を聞きたいですね。
結局のところ、単独で業績を大きく改善に向けるのは難しく、金融機関にとって厳しい状況であるマイナス金利の解除を待つ必要があるかと存じます。主観になりますが株価は下落傾向であるため、配当益運用であっても中長期的に持つのもややリスクがあると思っています。iPhone向けスマホアプリレビューを読むとスマホの機能(TouchID/FaceID)を使えず、ブラウザのアプリを無理矢理スマホアプリにしているという内容が多数あり、顧客との関係強化という意味でも、いちユーザーとしてこの改善を期待したいです。
以上、よろしくお願いいたします