4月末にグーグル、アマゾン、マイクロソフトが決算を発表しました。これらの企業に共通するのがクラウド事業が絶好調で業績を牽引しています。今回はクラウド事業の今後について考えてみます。
そもそもクラウド事業が何を変えたのか? は『Amazon Web Services入門』(インプレス社)が古い本ですが一番わかりやすいので、関心があれば読んでみてください。
この記事の1つ前でも書きましたが、現在のクラウド需要は一次的な需要だと考えています。事業会社が自身や他社に委託して機械を管理してシステムを提供していたものを、クラウド業者の環境に移設するまでがゴールです。システムの仕様は変えず、移設しただけなので、システムの用途としては変わりません。
その後、クラウド業者が提供する統計傾向分析サービス、音声認識サービス、IoT機器サービスのような次世代の仕組みを用いてシステムの最適化、DX、BPRのような業務改革を行う、二次的な需要が来るとして見ています。
そもそも、なぜクラウド環境を使うのか?使う側から考えてみると一番大きな理由は「運用にかかる時間をお金で解決できる」です。元々自社や委託で機械を管理しなければならず、5年もすれば機械のパーツが壊れやすくなるため買い換える必要がありました。それらのコストをクラウドに移設することでなくすことができ、そこにかけていた時間(費用)はクラウドの従量課金費用と、事業を進めるための投資に回せます。事業的に何の恩恵もない、稼働率が下がるだけの管理系作業をなくして、事業を進める作業に時間を割けるため、移設するだけでも人的資源の最適化というメリットはあります。
移設後は、以下のようなクラウド事業者が提供する応用機能を簡単で安価に組み込みが可能で、移設によって運用に掛けていた時間が空くため、その時間で業務改革を進めていけます。
・テキストファイルの大量読み込みと傾向を分析する
・音声を認識して何らかの処理をする
・IoT機器の統合管理
AWSのキャリア採用において移設やハイブリット構成のソリューションアーキテクトを積極採用していたり、パブリッククラウドに特化したコンサル会社が増収増益を繰り返し、積極採用している状況からもまだまだ成長の余地は大きく残っていると確信しています。
近年、クラウドファーストだとかインテリジェントクラウドといったキーワードが先行している中で、当然ですがクラウドを使うべきでないシステム用途もあります。今後5年でITによって事業の形が大きく変わると言われていますが、企業の経営者は使うべきところと使うべきでないところをきちんと判断して、適切にIT資源に投資して欲しいですね。投資内容も成長を図る指標にしていきたいです。