レシピ投稿サイトの決算が話題になっていたため読んで投資有効性について確認します。
決算
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2021年12月期 第1四半期決算補足説明資料
2021年12月期 第1四半期決算短信
売上が26億(前期比較▲4%)、営業利益は▲3億円(前期は1億円の黒字)となっています。この会社のレシピサービスは、在宅需要が追い風になりそうでしたが、相当に厳しい決算となっています。特に話題になってる、説明資料の4枚目スライドで解散宣言が衝撃でした。
財務状況
3億円の赤字を出しているにもかかわらず流動資産はほぼ変わっていません。利益は減収減益(赤字)です。キャッシュフローをみると、赤字で現金残高を切り崩しているが、為替変動による影響で+7億円収入があり結果的には現金がプラスになっています。主たる収入源である広告収入が5%減ったにも関わらず、販売費及び一般管理費が16%増加しているのは相当悪い材料ですし、在宅需要の中で会員数が2万人減少していることも痛いですね。
事業状況
決算資料内で「ミッション」と「達成したいこと」は丁寧に記載していただいてますが、具体的な事業イメージが読み取れませんでした。レシピWEBサービスは、近年文字や写真ではなくでショート動画にトレンドが移動して、ZHDのクラシルやYoutubeに太刀打ちできず広告費の減少につながっていると思われます。栄養士や料理人が丁寧に編集したレシピ動画と、素人が投稿した文字と写真のレシピ、どちらを選ぶか?比較するまでもないですね。クックパットマート事業は3度ほど体験して、良いものを安く安全に得られる大変希少価値の高いサービスかと思いますが、冷蔵庫の設置先が東京の一部のみのようなので、利益につながるのはまだまだ先かと思います。利用者が増えると、冷蔵庫を開けたあとの取り違えや、盗難の問題が出ると思うので、拡大前に利用方法は再検討すべきだと思ってます。
統括
事業的にもここから逆転するのはかなり大変なので、何か新しい収益の柱を期待したいです。またこの会社はソフトウェアの寄贈事業(いわゆるOSSのコントリビューター)も推進しているかと思いますが、最近は技術ブログのアクセス数やフィードバック数も減少しています。よく業界紙でお見かけする「OSSにタダ乗りはしない」という姿勢は大変素晴らしく尊いものですが、会社が苦しい状態に陥っている時、事業会社である以上事業を推進する方向に注力して、より良いものを提供していただけたらと思います。
以上、よろしくお願いいたします。