さくらインターネットQ4決算

日経で重要なITインフラは国内基盤で事業提供するように規制を掛けるという記事が出ました。データを保持する場所という意味では、アメリカのクラウド業者でも日本拠点を選択することができますが、国内のクラウド業者の業績も読んでみます。

決算

https://www.sakura.ad.jp/ir/
2021年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
2021年3月期 決算説明資料
進捗推移
https://tyn-imarket.com/stocks/3778?term=annual

2021年3月通期は過去最高益で大幅増収増益となっています。しかし、2022年3月期予想は大幅に減収減益となり、営業利益は80%減まで行く見込みです。

財務

今期13億の営業利益を計上したにもかかわらず資産は大幅に減っています(流動資産85億→77億)。負債は借入を中心に大幅に削減できています。利益は売上が増えているが、販売費などコストが削減できていて、その分利益に積み上がっています。キャッシュフローは営業活動は41億のプラスですが、投資活動は固定資産取得で13億のマイナス、財務活動で多数の借入によって31億のマイナスとなっています。結局相殺しきれなかった4億円が流動資産の現金から減ったと読み取りました。

事業

ハウジングサービス(機器の預かり)は、クラウド移行が進んでいることもあり減収です。専用サービス(性能の良いサーバ貸出)は環境の過渡期とのことで解約が出たことで減収です。レンタルサーバは3%の成長、VPSとクラウドサーバは11%の成長です。減益のハウジングと専用サービスは売上に対して20%程度の割合で、今後も厳しい状況が続く見通しです。しかしVPSとクラウド事業が2桁成長見込みは大変心強いですね。

統括

国内の3拠点でサービスを提供でき、自然災害が発生しても事業の継続性においては冗長性が保てるため、金融機関など継続提供が求められるシステムには良い選択肢になるかと思います。さくらインターネットさんは、いち早くリモートワークへの転換を打ち出したことと、出社となるメンバーに特別給与を出していて、柔軟な意思決定とスピードを持ち合わせていると感じています。来期の予想は大変厳しいですが、中長期的に見ると大きく業績を伸ばしてくるはずと思っております。

決算発表(4/27)後、来期の厳しい予想をみて株価は急落しました。2022年03通期もEPSが4円弱のため、PERも適切な評価ができません。成長産業に適切に投資をしていく発表があり、従業員を大切にする会社だと思うので、2023年03通期では復活していくるのではと思います。それを見越して今からの投資はありだと思います!しかし、競合が多く業績の回復スピードも未知数のため、掛ける時間や資本に対して、リターンの期待値が少なく大きな投資は難しいですね。。自分もVPSを何台か使ってますが、コストパフォーマンスが高いため、その分利益を削っていて数字の積み上がりには時間が掛かると思います。

現状はIaaS事業がメインで、SaaSやPaaSの素晴らしいパートナーが見つかれば大幅に事業が伸びると思います。投資フェーズで国内内需を重要視しているサイボウズさん、チャットワークさん、地方銀行さんと業務提携を申し込んでみるのはどうでしょう。データの保管や提供場所に注目が集まっているため、お互いの強みになるのではと思います。IR注目しておきます。

以上、よろしくお願いいたします。