確認します。コロナで広告出稿が激減して業績を落としたが戻ってきているように見えます。
まず事業について確認すると、地上波のフジテレビ、CSのビーエスフジ、ラジオの日本放送、事務所のポニーキャニオン、通販のディノス、観光事業のホテルなどが挙げられます。事業ごとの売上を見ると前年同期比と比較して横ばいもしくは多少の増益となっています。前期は利益がほぼなくなってしまいましたが今期は数字が戻ってきています。一方で観光事業やホテル業は継続苦戦して大規模な赤字を計上しています。
2022年2月に決算が出て大幅に買いが入りましたがすぐに決算発表前の株価前後に戻っています。基準として2019年3月の決算(2019年5月)の株価と業績を今期と比較して評価してみるとかなり厳しいことが見て取れます。
年月 | 売上 | 利益 | 株価 |
2019年3月通期 | 669,230 | 34,709 | 1,500 |
2022年3月通期(予想) | 523,400 | 29,600 | 1,153 ※2022/3/11 |
コロナ時勢でインターネットへのお金の移動が前倒しに動き、企業のマーケ費もテレビやラジオからインフルエンサーに直接入ることも少しずつ増えてきたと思います。そうなってしまうと中々テレビにお金が戻ってくることは考えられません。
ご存知の通り2022年はインターネットの広告費が地上波を初めて上回ったこともあり今後は見通しが厳しい。インターネット配信部門のFODは広告費が2桁成長を続けていて有料ユーザーも100万人弱毎月500万人が視聴するプラットフォームになっています。
地上波は広告費が先細り、インターネット配信は(一定の共存は見込めるが)外資のNetflixやアマゾンプライムなど巨大プラットフォームと競合するため、今後も大幅に業績が伸びる見通しがないですね。
財務の数字を見てみるとPERは11倍配当利回りも3%で地方銀行なみの安さで放置されています。2020〜2021年にかけてテレビから広告費が大幅に引いて徐々に戻ってきていますが、よりインターネットへの移行が前倒しで進みました。法律と相談しながら知名度や広告媒体としての強みを生かして投資事業(フジスタートアップベンチャーズなど)を強化していくのが自分が思う一番良い成長戦略だと思ってます。
何より決算資料が読みにくく体裁含めてとてもメディア関連企業とは思えず先細りの地方銀行と同じレベルになってます。まずここにお金をかけて勢いを出し強気に情報発信してほしいですね。情報公開が難しい事情もあるでしょうがFODの有料会員数の推移やユーザー滞在時間を出すなど・・・。情報発信の意識が変われば投資対象として注目していきたい。