【決算確認】出前館 2022年8月第三四半期

出前館はフードデリバリーを主たる事業とする企業です。飲食店が出前館に加盟してWEBやアプリから注文を受ける「出前館」サービスの利用と、ウーバーなどのように店舗→ユーザーに対してデリバリーする事業が主な事業になっています。

tyn-imarket.com
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2484/tdnet/2157997/00.pdf

決算の数字

四半期で考えると前期は売上80億に対して121億と150%の成長を達成しているように思います。それに対して利益(損失)は51億が72億と赤字もほぼ同等の割合で拡大しています。

この会社で重要なのは売上というよりユーザーがどれくらい利用したか?なのでGMVやオーダー数を見てみると以下のようになり約40%程度の成長になっています。
前年 GMV 428億 オーダー数 1580万
今期 GMV 542億 オーダー数 2110万

コロナ以上の成長は見込めないと考えてマーケ費やクーポンなど積極投資が難しいのではと思いましたが、まだ600億以上の現金があり積極投資が続けられる体力があると読めました。負債の方に計上している未払い金の約150億は未収入金とほぼ相殺できる数字だと思います。

またガイダンスでかなり赤字縮小の数字が出ていて個人的にはめちゃめちゃ好感です!!!

事業の推移

出前館のサービスよりもデリバリー事業が大幅に伸びています。どちらも前年同期比で1.5倍以上の伸びですが配達手数料が2倍以上伸びてるのは衝撃ですね!配達員募集のCMを出した時には「そこに金掛けるの?」と衝撃を受けましたが、順調に確保できて成長しているように見えます。

積極投資ではありますがアクティブユーザーの伸びがそろそろ上限近いのではと予想します。初回注文限定クーポンの存在もあり、複数登録ユーザーが相当数いますし、そろそろクーポンのばら撒きやCMなどマーケ費を使う方針も少しずつ変えていくべきではと期待したい。ただ本人確認ができず住所氏名電話番号などで突き合わせるしかない状況では対策がなかなか難しいですね。。。PayPayと連携する機能を作り本人確認済みで初回利用だけクーポン使わせるとかで良いのではと思います!

ZHDの決算で経営陣がドヤってたクイックコマースも店舗数がほぼ倍になってもGMVは130%程度に落ち着いてしまっています。確かに30分とかで商品が来るのは便利ですが、そのために追加で手数料払うか?と言われると難しいですね(ドラストやスーパーで安く買う人が大多数かと)。もう少し景気が回復すれば需要ももっと伸びそう。

統括

継続投資していて数字上は大きく伸びていますが株価は大幅に下落しています。(どこかで語られていたらすみません)EPSがプラスに転じる見込み時期を知りたいですね。LINE社から資金を受けてずっとトップライン(GMV)を伸ばす戦略を続ける場合株価も反応してくれないと思っていますが、今回のガイダンスで赤字縮小を目指す明確なメッセージが出たので今後大きく動くはずです!!U社が日本のフードデリバリーから撤退すれば爆上げするでしょうが、それはいつになるかわかりませんしね。。。

アメリカも利上げ、欧州も利上げ、日本はゼロ金利継続となり、史上最大くらいの円安現状は出前館にしたら神風だと思います笑。実際に今年に入って競合が相次いで日本から撤退していますし、この好機をしっかり捉えて成長を期待したいです。