【決算確認】ズームビデオコミュニケーションズ(ZM)2023年第二四半期

2020年新型コロナウイルスで世界中で外出規制が掛かる中リモートワークの必須ツールとして大きく普及したZoomですが2021年から成長鈍化が見てとれました。今回の決算も厳しい数字になっています。

investors.zoom.us

実績の数字

売上 1.07ビリオンドル(昨年同期比+8%)
利益 1.1ミリオンドル(昨年同期比-50%)

今後の予想

翌四半期
 売上 1.1ビリオンドル前後
 利益 3ミリオンドル前後
通期
 売上 4.3ビリオンドル
 利益 1.4ビリオンドル

今回の決算で利益が大幅に少ない件ですが投資活動のキャッシュフローで有価証券の購入や企業買収での支出を計上しているように見受けられ、今期限りのものと読みました(Zoomのファンド事業として投資は継続するはずですが)。

昨年から売上の上昇が鈍化していて今回の決算も1年前から売上高が8%しか伸びておらず成長が頭打ちになっていると感じています。普段からZoomを利用している方ならわかるかもしれませんがZoomの機能は停滞しているわけではなく、ホワイトボード機能やZoomフォンとの連携機能などさまざまな更新が入りました。しかし、ホワイトボードはより優れた別のSaaSがあるなど、売上を加速させるには至っていません。

アメリカでも日本でも「ズームします」と言えばビデオ会議をする、というように動詞として認知されているほどになりました。しかし在宅勤務が一段落して事業所に出社する割合も増えていて今後も大幅な業績転換はないでしょう。競合となるGoogleMeetやTeamsはその機能に対して課金は不要で、GoogleWorkSpaceやOfficeに組み込まれていますし、すでに「ビデオ会議機能だけに対してお金を払うものではない」と認知されつつあるのではと思います。それらに組み込まれていた方が認証/監査/会議のビデオ録画の扱いなどが安全で効率化できると思っています。

ビデオ会議ツールやZoomフォン事業だと大幅な加速は難しいと考えています。音声認識と自動翻訳のベンチャー企業を買収したり、継続して色々な企業に投資を続けているので、それらが機能として実装されたり、明確に数字として現れることを期待したいです。

財務情報見ても流動資産は潤沢だと思うのでメタ社とメタバースの共同研究でもしたらどうでしょうか?GoogleMeetとTeamsとZoomとWebexが混在してビデオ会議可能な誰得機能などあれば使うかもしれない…。

これまでZoom社さんが買収してきた企業を考えると、Zoom上で異なる言語間で話してもリアルタイム相互音声翻訳する機能ができれば全世界に革新になりますよね…!色々な企業が長年にわたって研究している分野ですし、そんな夢のようなことが実現しないと思っていますが、案外数年後にはできてしまうのでは、とも思っています。