読みます。いきなりステーキなど飲食店を展開する会社です。コロナ禍で業績が急激に悪化しているためQ1の短信を読みます。
今期を迎える前の状況
短信を読む前に前期終了時点の状況を確認します。
https://www.pepper-fs.co.jp/ir/
2020年12月期 決算短信
前期比較で300億(50%)の売上減、40億の営業損益となっています。大変厳しい状況ですが、キャッシュフローを見ると「関係会社株式売却益」で85億を、「短期借入金」で23億を、「株式の発行による収入」で37億を、収入として計上しています。赤字を受け入れ当面の資金を確保したことと、不採算店舗を整理してフットワークを軽くしています。
決算
https://www.pepper-fs.co.jp/ir/
2021年12月期 第1四半期決算短信
中期経営計画の進捗に関するお知らせ
決算の推移ですが非常に厳しいです。2月から3月にかけて緊急事態宣言により営業できない事情もあり、売上は前期Q1と比較して半分以下、利益に至っては4億の損失となっています。
https://www.pepper-fs.co.jp/ir/
第三者割当による行使価額修正条項付第11回新株予約権及び第12回新株予約権の発行に係る払込完了に関するお知らせ
金融機関に割安の新株を発行して資金を調達しています。新株の価格下限は11回が369円、12回が291円となっていて、1ヶ月ごとに行使して200万株ずつ増加しています。
2021年12月Q2予想
Q1実績 | Q2予想 | |
売上 | 4,956 | 10,559 |
営業利益 | ▲486 | ▲866 |
経常利益 | ▲475 | ▲220 |
売上と営業利益は当初の予想に近い形ですが経常利益の差分がかなり大きいですね。関東で緊急事態宣言が出た影響が見て取れます。
財務
現金が55億→42億減り、建物も1億円減り、資産は約20億減少しました。負債は借入金7億円減少して、負債は98億→73億まで減りました。利益は営業外収益として「新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金」を1800万円計上していますが、利息の支払いに1200万円使っています。キャッシュフローがありませんが、新株の割り当てで3ヶ月600万株を250円で割り当てた想定で、15億程度の収入を得ていると思われます。
統括
どれだけ美味しいステーキのお店であっても営業できなければお金を稼げません。Q1は大変厳しい状況になり、改めて緊急事態宣言における影響を痛感しました。Q2も関東圏において4月末から5月末は緊急事態宣言が出ていて、飲食店が時短営業を強いられているため、Q1と状況は大きく変わらないと見込んでいます。
株価が2年前から1/3以下になってしまったため、新株予約権を使っても資金調達できる金額が大幅に少なくなっています。セグメントで見れば、この時勢の中「いきなりステーキ」事業は黒字で着地させているため、緊急事態宣言が解除になれば大きく改善するかもしれません。近くにステーキ店舗があるため明日行こうと思います。
株価としては債務超過のリスクがあることと、昨年から資金調達で株数を増やしているため株価は大幅に下落しています。業績がV字回復することで株価が戻る可能性もあるため、リスクはありますが投資検討したいと思います。この会社は株主優待制度が有名ですが、保持する株数によって商品券の金額が増える仕組みになっています。しかし、発行済み株数が大幅に増えたためおそらくルール変更になるでしょう。
以上、よろしくお願いいたします