【決算確認】Zホールディングス2022年3月第二四半期

第一四半期からの株価推移

f:id:dstore:20211113150749p:plain
IRニュース | IR情報 | Zホールディングス株式会社
決算2022年3月期第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

数字の推移

Zホールディングス(以下「ZHD」)は前年同期比で売上と利益は2桁の増収増益となっていますが、前年実績はLINE社が入っていないため参考程度になります。前四半期と比較すると売上はほぼ横ばい、利益は20%の増加でした。EPSも続伸しています。

事業で見てみると、メディア関連で収益が大幅に伸びています。これはオリンピックでニュースを配信したことによる広告の売上増加と思われます。それまで業績を牽引していたコマース事業の伸びはこの四半期の伸び率は10%程度に留まっています。今回の大幅な伸びもオリンピック需要による一時的要因のように思います。コロナ明けの状況でコマース事業が2桁延びたのは素晴らしいですが第三四半期は厳しくなると読み取りました。

グループの中心となるヤフー社とLINE社の相乗効果は広告やIDなどで共有などが始まると思います。特に広告事業で数字が伸びていて、相互配信事業となればさらに期待もできますし、出稿側としてもヤフーとLINEどちらにも出稿できるのは選択肢が増えて良いですね。インターネット関連の広告はアップルのブラウザポリシーやIOS14関連で業績が伸びない会社が多かったですが、ZHDは今のところそのような話は出ていませんので、なんらかの対応を進めていると思われます。

PayPayも3ヶ月で約9億回決済され、90日で考えると1日1000万回決済されていることになります。1年で決済回数が2倍になってますし、今後どこまで伸びるか?すごく楽しみです!

メディアとコマースの2本柱がありますが、今後データのマーケ支援事業も成長が期待できる分野かと思います。ヤフースコアは早々にサービス終了しましたが、データソリューション事業の利用者が順調に伸びているようで今後も推移は注視したい。
about.yahoo.co.jp

一方で誰でも情報配信でき、特定のポータルや、事業者に頼らなくても個人から個人にたいして、広告配信したり、決済できる時代です。そうなった時にポータルサイトのヤフーニュースなどの市場価値(広告出稿価値)が大幅に下落しないか?懸念しています。選択肢の増加によって、既存のポータルから人もお金も動いていくので、その流れはしっかりと監視していきたいし、その部分に対して(インフルエンサー向けの事業など)何か対策を打って行かないか?期待しています。

長年日本で事業展開してきて、知名度も高く、事業的に信頼感もあります。一方で、人と物が新しい仕組みに移った場合、攻めの投資ができなくなる危険性もあると思います(たとえばCookpadとクラシルの関係のようにレシピと有料会員で磐石に見えたが、料理動画にユーザーが移りCookpadも急いで動画事業を始めたことなど)。世の中の話題が凄い速度で変わったので、より時流を読みZHDにとってどのように影響が出るのか注視していきます。